
当ブログ「2023年2月13日記事」や「2023年2月14日」記事でお知らせした、掲載写真「虹雲」をツイッターで無断使用した発信者を特定する為の経由プロバイダ裁判・分離被告KDDIに対する発信者情報開示命令判決(原告全部勝訴)が、2023年3月2日13:10、札幌地方裁判所民事5部3係(703号法廷)にて下記の通り下されました。
令和5年3月2日判決言渡
令和4年(ワ)第1149号発信者情報開示等請求事件
判 決
原告 縄 田 賴 信・・・(本人訴訟)
被告 KDDI株式会社・・・(代理人弁護士担当)
主 文
1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録B記載の発信者情報を開示せよ。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。
第1 請求 同文趣旨
第2 事案の概要(省略)
第3 当裁判所の判断
1 発信者情報開示請求について
(1) 証拠(甲1 ~甲6、甲34)によれば、本件写真は写真の著作物であり、原告はその著作者であることが認められる。
また、証拠(甲3、甲8)によれば、本件写真の下部には、 「ⒸYorinobu Nawata」、 「転載厳禁」、「yori」の表示があるところ、本件投稿は、本件写真のデッドコピ-をツィッターのサーバーに保存して表示するものであり、これにより、原告に無断で、本件写真が複製され、公衆送信されたことが認められる。
そして、本件投稿の体裁からして、本件投稿が本件写真を適法に引用したものとは認められず、そのほかに著作権が制限される事由(著作権法30条以下)が存在することをうかがわせる事情も見当たらない。
したがって、本件投稿により、少なくとも、原告の著作権(複製権、公衆送信権)が侵害されたことは明らかであると認められる。
(2) そして、本件発信者情報は、本件発信者の氏名又は名称、住所、電話番号及び電子メールアドレスであり、これらはいずれも原告の損害賠償請求権の行使のために必要であるから、原告には本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。
(3) したがって、原告は、被告に対し、プロバイダ責任制限法5条2項(旧4条1項)に基づき、本件発信者情報の開示を請求することができる。
以下省略
(ーここまで判決ー)
上記判決言い渡しの際、傍聴席に2名の一般傍聴人が判決主文を聞いておられました。
上記の通り、ツイッターでの匿名性を後ろ盾とした写真無断使用(権利侵害)も、法的手続きを講じる事で、住所・氏名・電話番号・電子メールアドレスが開示され、最終的に発信者にたどり着きます。即ち、匿名は担保されていません。
そして、長期間訴訟の結果、侵害期間も長くなり、被害金額の増加に伴い、最終的に発信者へ対する損害賠償請求金額も、増大・高額となる傾向があります。