2021年6月、30年以上住んでいた駅近アパートの立退(建て替えに伴う書面上6ヶ月以内、実質3ヶ月以内)を突然求められ、立退交渉を新規介在不動産業者と行いました。其の時に調べた有益情報を、公開したいと思います。
アパートなどの賃貸借契約は、更新が前提となっており、賃貸借契約の期間終了1年前から6か月前までの間に「更新をしない(更新拒絶)という通知」と正当事由が必須要件となります。従って、大規模修繕すれば、まだまだ居住可能と看做されれば正当事由に該当せず、単に老朽化を理由とする正当事由には該当しません。更に、約10年毎に適切なメンテナンスが実施されているか否かでも、正当事由要件に係り、更新拒絶の「正当事由」はとても厳しく判断されます。老朽化の程度が激しく、かつ、修繕も難しく、居住に著しい支障を生じている物件のみが、正当理由に該当します。
【立退料の計算請求根拠】
オーナー側理由による賃貸借の立退料は、現状賃貸借物件と同等の条件建物への立ち退き転居に伴い、賃借人に発生する様々な経済的な損失額を積算して請求根拠とします。
私の場合、エアコン設置、アース付コンセント増設電気工事、カーテン取り付け、駐車場契約付帯などが実施されている為、転居先でのエアコン設置費用、アース付コンセント増設電気工事費用やカーテン費用なども加算要因となります。更に、転居引越し費用(おまかせパック相当・見積書を取得)や、同等の部屋広さで駐車場付の転居先不動産契約手続き費用(仲介手数料を含む)や、転居先家賃高騰に伴い発生する家賃差額2年分相当や光熱費燃料差額2年分相当、転居通知や各種住所変更費用などの諸雑費も、全て合算請求します。
更に、裁判となれば1年以上の係争が通常ですので、6ヶ月以内(3ヶ月以内)での立退転居は無くなります。裁判判決確定後の転居の為、和解や判決の場合、数年先の立退となり、場合によっては、立退を免れる場合もあり、早期に立退を求めるオーナー側は、早期に転売する事が実質不可能となり、オーナー側の弱み=賃借人の強みとなります。また、弁護士費用を負担する事なく、其れ等の費用を交渉の中で上乗せ請求交渉する手法も一手と考えます。情報を熟知・勉強した上で交渉すれば、其れなりの立退料額での合意となりますので、介在不動産業者の言いなり(泣き寝入り)とならない様に、突然の立ち退きに困惑して居られる皆様のご参考となれば幸いです。
【立退料を受領した時(賃借人)】
参照リンク:No.1490 一時所得|国税庁
参照リンク:No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)|国税庁
計算例(立退料126万円+敷金5万円=131万円を受領の場合)
敷金返還は全額非課税のため、立退料126万円に対する一時所得計算となり、
126万円−基礎控除50万円=76万円÷2=36万円が一時所得欄記載の総合課税対象となります。
【立退料を支払った時(オーナー側)】
参照リンク:No.1382 立退料を支払ったとき|国税庁
参照リンク:借地借家法 | e-Gov法令検索
参照リンク:立退料とは | 立退料の交渉なら弁護士法人エース
参照リンク:立退料(立ち退き料)の相場・計算方法 | 内藤寿彦法律事務所
参照リンク:賃借人に非のない立ち退き相談(立退料の確保・増額):前田尚一法律事務所
参照リンク:建物賃貸借・正当事由と立退料の基礎知識 | 内藤寿彦法律事務所
参照リンク:立ち退き料の相場はどのくらい? ケース解説|咲くやこの花法律事務所
参照リンク:札幌で立ち退き料請求・賃貸継続なら相談下さい|入居者サポート
参照リンク:借地借家カテゴリのエントリ
参照リンク:立ち退き合意書の記載事項や作成方法 | 不動産業界のお役立ち情報をお届け