アオリ撮影(デジタル写真修整)解説
 

ライズ・アオリ実例【ライズRise…立派な建物を形よく真直ぐに】

札幌駅前JRタワー・ノーマル撮影見本/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
札幌駅前JRタワー・ライズ煽り撮影見本/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ

 単眼で高層建築物等を下から見上げると、上に行く程すぼまって見える。人間は、両眼で見て脳で歪みを補正している。カメラ撮影は単眼のため、建築物等の撮影時に蛇腹のカメラを用い、プロの特殊撮影技法(ライズ・アオリ)で縦のラインが垂直になり、建物が前面に起き上がった状態になるように補正撮影されている。アオリ撮影は、【ライズRise・・・立派な建物を形よく真直ぐに】【チルトTilt・・・シャインフリュークの法則により、絞り開放でも大画面を全面シャープに】【スイングSwing・・・斜め方向でも全面にピントを合わせる。被写体の形まで変える水平線のパースペクティブ誇張。】【フォールFall・・・商品撮影の基本・垂直線のパースペクティブ調整】【シフトShift・・・画面の水平移動で被写体への写り込みを避ける】など様々な技法効果がある。近年、高価な画像処理ソフト(Adobe Photoshop)を用いて、パソコンでライズアオリと同様な修整が行えるようになったが、チルトやスイングのアオリ撮影と同様な画像処理は不可能である。


大判カメラ・レンズ部分の移動に注目!
ノーマル撮影時大判カメラ見本/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
ライズ煽り撮影時大判カメラ見本/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
 カメラ内蔵水準器で、大判蛇腹カメラを水平に保ち、レンズ部を垂直に上へ平行移動させる「ライズ・アオリ」の撮影技法を用いている。

一般レンズ(一眼レフカメラ・フルサイズ)のイメージサークルと受光面
一般レンズ(一眼レフカメラ・フルサイズ)のイメージサークルと受光面解説図解/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
←図1 点線・受光面24×36mm
黒◯・一般レンズ・イメージサークル:直径43.2mm

赤◯・シフトレンズ・イメージサークル:直径58.6mm

 レンズを通過して焦点受光面部分に、フィルムや受光素子(CCDやCMOS)が配置されるが、図1の点線枠部分である。円は、イメージサークルと言い、丸いレンズが焦点画像を描く範囲を示している。通常の一眼レフやビデオカメラでは、イメージサークル目一杯の受光面積となっているため、アオリ撮影は出来ない。シフトレンズを用いても移動範囲(最大7.7mm)と制約があるため、イメージサークルを外れると画像や映像はケラレ(欠ける)状態となる。

アオリ撮影時の光軸解説
ライズ煽り撮影時の光軸解説写真/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ

大判レンズのイメージサークルと受光面解説図解
大判レンズのイメージサークルと受光面解説図解/転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ

 大判カメラ&レンズのイメージサークル(レンズを通して結像した円の中で、撮影上支障のない照度や鮮明画像が得られる範囲)は非常に大きく、アオリ量に多くの余裕があるため、周辺光量減少や アオリ撮影での画面ケラレ落ちが生じない。ただし、アオリ量に比例した絞り込みと、ピントガラス四隅の切れ込みからのケラレ確認が必要。

Canon ティルト・シフトレンズ TS-E135mm F4L マクロ フルサイズ対応 TS-E13540LM
 
2021年1月7日更新
 

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