【ふく・ふぐ・フグ・河豚・鰒】のお話
ふぐのお話

 山口県内の母の実家の近所に、「こんな旨い物を食べて死ねれば本望だ」が口癖の人がいた。戦後間もない頃、自ら河豚を捌いて肝まで食し、ピリリとくる感覚がたまらないと言いながら、河豚に当たりあの世に旅立っていった。

 現在、素人に依るフグ処理は法律で禁止されている。ふぐ専門の調理師資格は勿論、解体した危険部位(青酸カリの300~400倍の猛毒)の処理方法まで、厳しく管理されている。

ふぐ毒
 フグ毒:テトロドトキシン は、海藻(石灰藻)や貝類(ハナムシロガイ)などにもある。
 河豚の血液に毒があることは、広く知られているが、フグの筋肉に毒は、通常存在しない。
 食用種でないフグには、筋肉に毒を含んでいる種もいるので、要注意!
 皮や精巣の河豚毒は、河豚の種類により異なる。
 例 トラフグ:筋肉、皮、精巣、全て食用可。
   マフグ:筋肉、精巣、は食用可。皮は食用不可。
 参照リンク:【フグ・Wikipedia
 参照リンク:【ふぐとふぐ毒 東京都福祉保健局
 参照リンク:【食用のふぐの種類とその可食部位(その1) 東京都福祉保健局
 参照リンク:【食用ふぐの種類とその可食部位(その2) 東京都福祉保健局

ことわざ
 『河豚は食いたし命は惜しし』
 【おいしい河豚料理は食いたいが、中毒の危険があるので食うことをためらう。
 転じて、やりたいことがあるのに、危険が伴うので決行をためらう・・・広辞苑より引用】

 『河豚食う無分別、河豚食わぬ無分別』
 【河豚の毒のあるのをかまわずに食うのは無分別であるが、中毒を恐れてそのおいしさを味わわないのも無分別である・・・広辞苑より引用】

大きなトラフグも悠々!/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
大きなトラフグも悠々!
下関市立しものせき水族館 海響館
フグの種類では、世界一の展示数を誇る水族館。

おいら、フグの仲間「ハリセンボン」だよ!/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
おいら、フグの仲間「ハリセンボン」だよ!
下関市立しものせき水族館 海響館
水槽の中にいる魚たちは、人馴れしているよう!
カメラの自動焦点で発光される赤外線は、魚たちに嫌われる。
参照リンク:下関市立しものせき水族館 海響館 公式サイト

トラフグの砂潜り/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
シマフグ/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
トラフグの砂潜り

シマフグ


下関・南風泊市場の天然とらふぐ/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
下関・南風泊市場の天然とらふぐ

深夜・午前2時、南風泊(はえどまり)市場には、
ふぐ専門の競人が集まってくる。
市場隣の建物では、
河豚の解体作業が行われ、早朝空輸便で日本各地へ発送される。
天然物と養殖物の見極め方は、
天然物は尾っぽの形状が綺麗だが、
養殖物は共食いなどのため尾っぽの先端が傷ついている。
鰒独特の競は、午前3時10分~始まる。

 下関南風泊(はえどまり)市場では、
昨今問題となっている、
ホルマリン消毒河豚を取り扱わない旨決定し、管理実施している。
九州のある地域でホルマリンを
海水に投入しているシーンがマスコミで流れた映像は
衝撃的であった。
消費者に取って安全な河豚を提供するべく、
下関南風泊(はえどまり)市場関係者の努力が講じられている。

唐戸市場の身欠きふく/写真転載厳禁・プロ写真家なわたよりのぶ
唐戸市場の身欠きふく
参照リンク(別窓):下関唐戸魚市場
頭や内臓などの危険部位を
取り除いた河豚・鰒(下関ではふくと呼ぶ)が、
唐戸市場では、一般人でも格安で購入できる。

火の山展望台では、ふぐ料理を格安で食せる。
市内専門店で天然とらふぐフルコースは、
一人前一万数千円相当であるが、
天然トラフグの刺身(てっさ)は、
生きている河豚を解体したのち晒しに包み2~3日冷蔵庫で寝かせ、
独特の甘さや歯ごたえを堪能できる。

 あるテレビCMで、
新鮮なトラフグが入荷した画像を携帯に送って、
その日の夕刻に食するシーンが放送されていたが、
捌いて直ぐの刺身を提供するお店は、
河豚を知らないもぐりのお店である。
河豚を知らないCM制作関係者が作った広告であった。

 唐戸市場の競は3時40分から始まり、
一般の魚介類や鯨なども市場で扱われる。

 
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